(円卓)学習評価の在り方を考える

静岡県立袋井高校教諭 鈴木 秀幸

「児童生徒の学習評価に関するワーキンググループ」で、新学習指導要領における評価の在り方の検討が始まった。委員の一人として、今後の評価の在り方はどうあるべきか次のように考えている。

学習評価に関して、一番の課題は「思考・判断・表現」の評価方法の改善である。「知識・技能」の観点は、主としてペーパーテストを用いて、ドメイン準拠評価で行うのが適切である。ドメイン準拠評価とは、多くの問題を出題してその正解数で判断する数量的な評価である。要するにいま各学校で行っている方法である。

しかし、このドメイン準拠評価を「思考・判断・表現」の観点にまで適用してはならないことが、評価研究の結果分かってきた。この能力の発達は長い時間を要し、「知識・技能」と異なり、1つの学年の枠に収まらないのである。

また数量的評価のような細かな区分はできない。現在は各学年A、B、Cの3段階で評価することになっているが、国の参考資料でAやCの評価基準を明確に示せないのは、細かな区分はもともと無理だからである。この観点は、オーストラリアのR・サドラーの提唱したスタンダード準拠評価を用いるべきである(スタンダード準拠評価を個別の課題に適用した場合、ルーブリックによる評価となる)。

今回、従来の4観点(国語を除く)から3観点になったため、評定の在り方も再検討すべきである。観点が少なくなった結果、評価結果を簡略化して示す評定の役割も低下した。評定の必要性自体を検討すべき時が来ているのではないか。また評定を残す場合でも、認知的な側面を示す2つの観点を評定としてまとめて示し、情意的側面を示す「主体的に学習に取り組む態度」の観点は評定に入れないことにすべきである。性質の異なったものを一緒にすると、重要な情報の意味自体が損なわれることになる。

総合的な学習の時間の評価は、いくつかの文例を組み合わせて記述することで済ませてしまう例がみられる。生徒の実際の活動成果をみて記述するためには、ポートフォリオを本格的に導入する必要がある。生徒が立てた学習目標や自己評価などを入れたキャリア・パスポートまで発展させるかも検討課題である。

(中教審教育課程部会「児童生徒の学習評価に関するワーキンググループ」委員)