【連載】ESDの魅力 その11 みんなで挑戦してみませんか

横浜市立永田台小学校長 住田昌治

対局を中心に向けESDフローラ

対局と中心を表すESDフローラ(2016、住田)
対局と中心を表すESDフローラ(2016、住田)

「ESDを分かりやすく、シンプルに伝えることができないだろうか」という問いから始まった連載も今回で最後となる。ESDの魅力が伝わっただろうか。1年を通して、さまざまな窓を通して、持続可能な未来を見いだそうとしてきた。

そして、最近の講演会や資料等では、「ESDとは何か。子供たちみんなが、『生まれてきてよかった』と思える社会。高齢者の誰もが『長生きしてよかった』と実感できる社会。そんな生きやすい社会の実現に向けて、私たちに何ができるか考えて、行動できるようになること」だとお伝えしている。

誰にでも分かる言葉で、持続可能な未来社会を伝えようとしたとき、今ここをしっかり見てプロセスを考えなければならない。持続可能な未来に向けて効率的に突き進むことを求めるがあまり、事実をないがしろにしてはいけない。目の前にある現実としっかり向き合い、ことの本質を捉え、解決に向かうようにさまざまな関係者と協働していかなければならない。

大人は子供の憧れでなければならないし、大人は高齢者を支えることができなければならない。もし、大人になるのが楽しみだと子供が思えないようなら、持続可能な未来の担い手になろうという気持ちは起こらないだろう。

結局、このESDという教育は、大人の問題であり、対象は大人である私たち自身なのである。私たち大人は、家庭で、学校で、社会で、日々子供から見られている。子供たちが「生まれてきてよかった」と思えるような社会にしているだろうか。私たちの生活を見直して行動や生活を変えていくことが、子供たちの持続可能性を学ぶ一番の環境になるのだと考える。

ESDを一言でいうならば「変革」であり、自ら、その価値と行動・生活を変えていくことに他ならない。これまで当たり前のように行われてきたことを見直し、そのつながりを再構築していくことがESDなのである。

持続可能性に関わる多様なテーマがある。学校では、教室、授業、学習課題、ガバナンス、コミュニケーション、地域性など多様な視点がある。それらには必ず対局がある。二者の距離を互いにバランスよく縮め、つないで考え、徐々に両者が中心に近づいていって持続可能になる。花びらのようなESDフローラである。

例えば、「世界・身近=世界共通の課題を身近な課題に変換して取り組む」「教科・総合=教科のカベを超えて、総合との関連的な学習を展開する」「学校・地域=地域の課題を学校の課題として引き受けて考える」「授業・生活=授業での学びを日常生活に生かす」「教室・職員室=教室で求めることを、職員室で体現する」などである。

それは、正に変革であり、今まで当たり前だと思ってきたことを見直し、変える挑戦でもある。持続可能な未来のために、境目を超えて、つながり合う教育こそ、今求められているのだと思う。

最後にESDに挑戦する皆さんへのメッセージを贈りたい。

「とらわれない・おそれない・あきらめない―学び続ける者をエンパワー(元気づける)するのがESD!」

(おわり)