新学習指導要領の広報・説明 速やかに確実に繰り返して実施を

「社会に開かれた教育課程」を理念とする次期教育課程は、その理念を実現するために家庭・地域との連携・協働が欠かせない。家庭・地域と連携・協働を推進するには、何よりも新教育課程の理念や内容・方法、基準となる新学習指導要領の趣旨を十分に理解してもらうことが大前提である。

中教審は「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」(平成28年12月21日)において、「社会との連携・協働を通じた学習指導要領等の実施」の中で「家庭・地域との連携・協働」を求め、「今後、一層家庭や地域の人々と目標やビジョンを共有し、家庭生活や社会環境の変化によって家庭の教育機能の低下も指摘される中、家庭の役割や責任を明確にしつつ具体的な連携を強化するとともに、地域と連携・協働して地域と一体となって子供たちを育む、地域とともにある学校への転換を図ることが必要である」としている。企業の協力や産業界との関わりについても具体的に計画していく必要があるとしている。

こうした連携・協働のためには、保護者や地域の人々に新教育課程の理念や新学習指導要領の趣旨について十分に理解してもらうよう、説明を速やかにかつ確実に繰り返し行う必要がある。一度の説明ではなく繰り返し多様な場で説明し、何がどう変わるのかを具体的に把握してもらうことが大切である。

答申においても、「新しい教育課程が目指す理念を、学校や教育関係者のみならず、保護者や地域の人々、産業界等を含めて広く共有し、社会全体で協働的に子供の成長に関わっていくことが必要である」とし、「学習指導要領の理念が分かりやすく伝わるような工夫」を求めている。

前回の改訂で行った教員全体への学習指導要領の配布、保護者への改訂のポイントを分かりやすく解説したパンフレットの配布などの周知広報活動に加え、動画等による解説などのさらなる工夫を求めている。答申や新学習指導要領等の内容を広く広報し、その成果を今後の教育課程の改善等に生かしていくことを強く求めている。これらを早急に具現することが重要である。

しかし、今回の答申や新学習指導要領の趣旨等に関する広報については、いまだ国からは具体的なものが出されていない。あるいは、高等学校の学習指導要領が告示されてから幼・小・中・高・特別支援の一貫性を重視する立場から今後出されるのかもしれないが、いずれにしても早急に具体化する必要がある。各学校は、すでに答申や新学習指導要領の趣旨を体現すべく学校教育目標の見直しを図っている。

小学校では、道徳科を要とする道徳教育、総合的な学習の時間、特別活動の教育課程を編成し全体計画の作成や指導計画の作成に入っている。これら全て、家庭や地域と連携・協働して行うことになっている。その前提としての説明に必要な資料やパンフレットを早く提供してほしいということである。

「社会に開かれた教育課程とはどのようなものか」「資質・能力の三つの柱とはどんな力なのか、なぜ、今、それが求められているのか」「資質・能力を身に付けるために主体的・対話的で深い学びを実現する授業改善というが、これまでの授業とどう違うのか、先生方はそれができるのか」「カリキュラム・マネジメントとはどういうことか、どのように関わればよいのか、また仕事が増えることにならないか」等々、保護者や地域の人々の声に真摯に向き合い繰り返し説明していくことが必要である。