学校評価の見直し 新学習指導要領・総則を視点にして

学校評価の総括評価の時期となった。新教育課程を全面的に視野に入れた学校評価、特に、新学習指導要領の「総則」を視点にして学校評価を行う必要がある。

「学校評価・総括評価では、マネジメントサイクルを確立し次期教育課程に向けた確かな改善と進化が求められているのを確認する必要がある。今年度の学校評価を次期教育課程への準備とそれを支える諸条件整備への始めの一歩としたい」。これは、昨年11月28日掲載の本社説の一文である。1年たったが、学校評価が新教育課程に向けた準備に成果を上げただろうか。

昨年度は中教審の答申等を視点にしての学校評価を提案したが、今年度は新学習指導要領を視点にして学校評価を行うべきだろう。何よりも新学習指導要領の趣旨、特に「総則」の内容の理解が全教職員に共有されているか。重要なキーワードである「社会に開かれた教育課程」「資質・能力の三つの柱」「主体的・対話的で深い学びを実現する授業改善」「カリキュラム・マネジメント」などの共通理解が図られたであろうか。

新学習指導要領の「総則」は、「カリキュラム・マネジメント」を意図して構成されており、学校評価の中核として期待されている。この視点からの学校評価が、「総則」の理解を深め、現行の教育課程の編成・実施の課題を表出させ、今後の取り組みの方向を見いだすことが期待できる。

小学校は、来年度から特別の教科道徳を要とする道徳教育、総合的な学習の時間、特活が全面実施となる。中学校も総合的な学習の時間と特活が全面実施となる。その他の教科等においても、可能であれば先行実施に踏み込むことも認められている。

こうした状況を踏まえて学校評価の総括評価を実施すべきである。まずは、教育目標に掲げた子供たちの姿が具現できているか。子供自身はどう受け止めているか。教職員は子供たちがどのように育っていると評価しているか。保護者はわが子をはじめ子供たちが学校での学びで育っていると受け止めているか。地域の人々はどうか。

学校評議員等の学校関係者評価や学校運営協議会の評価はどうか。子供に身に付けさせたい資質・能力の三つの柱を視点にしてみたとき、子供たちの学びの姿はどうみえるか、捉えられるか。そこから浮かんでくる教師の「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」の指導力は向上しているか、授業改善は進んでいるか、などなどを明らかにしたい。

カリキュラム・マネジメントでは、児童(生徒)や学校、地域の実態を適切に把握していたか、教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科等横断的な視点で編成したかが問われる。特に道徳教育、総合的な学習の時間、特活、体育・健康指導などの全体計画、この他に人権教育や安全教育、防災教育などで求められている全体の指導計画等を機能させ学校教育全体を通じた教育・指導を展開してきたか。

また、マネジメントサイクルにおける評価・改善として出された改善策を今年度の教育課程に位置付けて実践してきたか。教育課程の実施に必要な人的または物的な体制の確保に取り組んできたか、などである。「総則」で示している、「児童(生徒)の発達の支援」や「学校運営上の配慮事項」の評価も実施し、現行ではどれだけできているか、今後新教育課程に向けての取り組みは何かを明らかにする。

冒頭に取り上げた「はじめの一歩」から学校評価を「大きくステップする」ときであり、この取り組みが次年度、新教育課程に向けた教育の質を左右する。