「運動会のライブ配信、著作権は問題なし」 文科相が強調

コロナ禍で運動会をライブ配信する学校が増える中、一部の学校で著作権への誤解から取りやめてしまうケースがあるとして、萩生田光一文科相は6月15日の閣議後会見で、「録画したものの配信は注意が必要だが、リアルタイムで配信するものについては著作権上問題なく、積極的に取り組んでいただきたい」と述べ、今後、著作権を扱う指定管理団体と連携して、正しい知識について文科省のウェブサイトや SNS を通して周知を図る考えを示した。

運動会のライブ配信の活用について説明する萩生田文科相

学校のオンライン授業での音楽などの著作物の取り扱いを巡っては、2018年に成立した改正著作権法で、「授業目的公衆送信補償金制度」が導入され、教育委員会などの学校設置者が、この制度の指定管理団体「授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS)」に補償金を支払えば、著作権者の許諾を得なくても授業目的で公衆送信をすることが可能となった。

改正法の施行は18年5月から3年以内とされていたが、コロナ禍でオンライン授業に対応するため昨年4月に前倒しでスタートし、昨年度は特例として補償金を無償とし、今年度から有償となった。

これを受けて学校などの教育機関は今年度以降、指定管理団体に補償金を支払う必要があるが、支払いは年度内でよいとされ、現時点で運動会をライブ配信しても問題ない。ところがこの取り扱いについて一部で誤解があり、著作権に問題があると判断して運動会のライブ配信をやめてしまう学校があり、文科省に多数の問い合わせが寄せられているという。

こうした事態について萩生田文科相は会見で、「結論から申し上げると、リアルタイムで運動会を配信するものは構わない。著作権料の支払いは年度末までなので、運動会の入場規制でお子さんやお孫さんの姿を見られない方に対する配慮がある場合は、積極的に取り組んでいただいてよろしいかと思う」と述べ、ライブ配信を活用してほしいとの考えを示した。

ただし、改正法では録画した映像の配信などはカバーされていないため、「留意点として具体的に配信先を教員、児童生徒、保護者といった必要な範囲に限定すること。また、録画したものを後で配信するとなると、法律の立て付けと異なるので、そこは注意していただきたい」と述べ、改正法を正しく理解して、著作権者の利益を害することがないよう対応してほしいと注意を呼び掛けた。

文科省は運動会のライブ配信などに関する著作権の扱いについて、指定管理団体とともにウェブサイトや SNS で周知を図っていくことにしている。