「学級通信は必要」 教員・保護者の約9割が回答

「学級通信を発行した方がよいか」の教員の回答結果
「学級通信を発行した方がよいか」の教員の回答結果

(公財)理想教育財団はこのほど、学級通信、学年通信、学校だよりなど、「学校における各種通信の実態と教育効果に関する調査」の研究報告を公表した。教員・保護者の約9割が学級通信、学年通信が必要だと認識しており、実際の発行率も8割近くに上るなど、各種通信のニーズが明らかとなった。

調査対象は、全国の国公立の小学校4000校(私立5校を含む)、中学校2101校に在籍する一般教諭と管理職。また、東京都を中心とした29都道府県に在住する小・中学生の保護者にも調査を実施した。有効回収数は一般教諭3210(10.5%)、管理職1839(6.0%)、保護者618(57.2%)。調査期間は教員は平成28年2月1日~2月29日、保護者は同7月1日~翌年3月31日。

保護者に学級通信が必要か尋ねたところ、86%が「必要である」と回答。「どちらともいえない」は13%、「必要ではない」はわずか0.2%だった。

教員にも「学級通信を発行した方がよいか」と尋ねたところ、「必ず発行した方がよい」36%、「できれば発行した方がよい」57%と、合せて93%の教員が発行した方がよいと答えており、教員・保護者の両方で、学級通信の必要性を感じているのは約9割を占めた。

一方、実際の学級通信発行率は77%と、必要性の実感とのギャップが生じている。

学級通信を発行していない23%の教員に理由を聞いたところ、小学校では「時間がない」48%、「学年通信の発行だけで十分」37%、「学年で足なみを揃えないといけない」31%がトップ3にランクイン。

中学校でもほぼ同様の順位だが、「時間がない」が61%と突出していた。

また、先の質問で「どちらともいえない」と回答した保護者の自由記述欄を見ると、「先生の負担になっているのであれば必要ない」「あくまで先生に無理のない範囲で」と考えている人も少なくなく、「発行してほしいが、先生の負担を考えるとどちらともいえない」という、教員の多忙化に対する配慮や理解の姿勢もうかがえた。

「通信を作成・発行する上で悩んでいること、困っていること」については、67%の教員が「ネタ探し」と答えた。また、「その他」と答えた13%の教員のうち、約半数が「時間がない」「作成時間が確保できない」と悩みを挙げた。「通信のネタ探しが子供に目を向けるきっかけになっている」という教員がいる一方、「業務の増加にどうしようもなくなった。まず生徒と交わしていた個人の交換ノートをやめ、次に学級通信をやめざるを得なくなった」と、多忙化による廃止を残念がる声も上がった。

「通信を作成・発行する上で大切にしていること」は、「子供の声や様子を伝える」が77%で最多。次いで、「保護者の理解を得る」57%、「定期的な発行」48%、「学級づくり」44%、「教師としての教育観や方針の伝達」31%と続いた。

「学級通信のなかで興味をもって読むもの」は何かを保護者に聞いたところ、「授業や学校生活の様子」71%、「週間予定・月間予定」63%、「学級活動・学校行事への取り組み」61%、「子供や保護者へのお願い」48%、「子供たちの写真」27%の順に回答が多かった。

学級通信に掲載する内容は、小学校で「学校・授業の様子」73%、「子供や保護者へのお願い」67%、「学級・学校の取り組み」65%、「子供たちの写真」61%と、保護者への調査結果とおおむね同じだった。

保護者に学級通信を読むか尋ねたところ、72%が「必ず読む」と回答。「ときどき読む」は17%で、約9割の保護者が学級通信に目を通している。

ところが、校種別にみると、「必ず読む」保護者の割合は、小学校では81%なのに対し、中学校では56%と大幅にダウンする。

「学校からのプリント類を親に渡さない」「学年が上がるにつれて親に通信を見せない傾向がある」など、教員、保護者の両方が分析していることから、通信が保護者に届く工夫も必要になっている。

学級通信は紙がよいか、ウェブがよいかについては、52%の保護者が「紙のほうがよい」と答えた。次いで、「ウェブ上の方がよい」11%、「どちらでもよい」32%。

紙派の理由としては、「子供から手渡しされる」「一緒に見る」という行為に意義があるとする意見があった。半面、ウェブ派は「子供が渡し忘れるから」「どこでも読める」「写真がカラーで見られる」などの理由が多くを占めた。

作り手側の教員からは、「紙媒体からメルマガなどに移行する流れがあってもよいかと思う」というウェブ志向の意見がある一方で、「紙だけではなく、ブログも利用すると通信発行が手軽になった。連絡やお知らせは紙で、子供たちの写真はブログでと使い分けている」という併用派の実践例もあった。