AIの教育活用と可能性を議論 DITTがシンポジウム

AI時代の教育を考えたシンポジウム
AI時代の教育を考えたシンポジウム

(一社)デジタル教科書教材協議会(DITT)は11月9日、「AI時代の教育を考える」と題したシンポジウムを、東京都千代田区の東海大学校友会館で開いた。研究者やeラーニング事業者がそれぞれの取り組みを報告し、AI研究の現況や、教育活用の課題、可能性などを話し合った。

理化学研究所革新知能統合研究センターの乾健太郎チームリーダーは、AIを使って論述や会話の解析、評価を行う技術について説明。

同技術の教育活用として、▽記述式問題の解答や英作文の自動添削▽ディベート訓練の支援▽対話の質を自動評価して各自にフィードバックする支援――を報告。現状では、入試の記述問題などの評価精度には難があるものの、通常の学習活用では、教師の採点労力の軽減につながると述べた。

情報通信研究機構知能科学融合研究開発推進センターの佐伯宜昭センター長は、同センターのAI研究から教育活用のポイントを報告。音声翻訳技術を使った英語のリスニングトレーニング、教育用対話AIによる音声を含んだ交流学習が可能になると述べた。

産業技術総合研究所人工知能研究センターの高村大也チーム長は、AIの言語処理技術を使って、▽論述解答の誤りの検出や訂正▽問題や教材作成▽解答の解説――が実現できるとした。

AIのより良い教育活用のため、統一フォーマットによるデータ集積や、AIの教育効果を検証する教育関係者や学習者の協働が必要だとも述べた。

教育新聞特任解説委員で、リクルート次世代教育研究院の小宮山利恵子院長は、オンラインを用いた教育事業「スタディサプリ」の実践例などを挙げながら、ICTやAIによる学びの可能性を話した。

算数や数学など積み上げが重要な学習では、ICTを効果的に使うことにより、個々のつまずきを明確化できるメリットなどがあると語った。

㈱KDDI総合研究所の本庄勝研究主査は、コンピテンシーの向上に着目したAI活用について話した。

協働学習時の個々の学びを、音声認識やキーワード抽出で分析し、学習プロセスの可視化に役立てられることや、主体的な学習意欲をICTを使って促す研究などが進んでいる現状を報告した。