戦略の具体化が課題 私立大研究ブランディング事業

文科省は11月7日、特色ある研究を基に独自色を打ち出す私立大学を支援する「平成29年度私立大学研究ブランディング事業」の選定校を公表した。

事業期間は3年もしくは5年間。申請を受けた大学・短大188校の審査を行い、地域の経済や社会の発展に寄与する研究を行う「タイプA」33校、イノベーション創出など全国的・国際的な発展に寄与する研究の「タイプB」27校の、計60校を選定した。

選定大学の研究内容には高い意欲がみられた一方、選定率は32%と低く、ブランド化に向けた戦略の具体化や、事業計画を確実に推進するためのPDCAサイクル構築が課題として残った。

タイプAには、申請した123校中33校(うち短大5校)が選ばれた。研究テーマには高齢化社会を見据えたもの(北海道科学大、多摩大、佐久大など)や、地域創生(名古屋商科大、岡山商科大、吉備国際大など)が目立つ。

タイプBには65校中27校が選ばれ、全個体電池技術の開発(日本工業大)や、スペース・コロニー研究拠点の形成(東京理科大)など、次世代につながる独自性の強い研究を打ち出している。

今回の選定結果に関して、同事業委員会委員長は「大学のこれまでの研究実績を元に、集約された知見を地域の課題解決に活かすもの、地域の産業支援と人材育成に貢献するもの、世界的な研究拠点としてのブランド確立を目指すものなど、高い意欲を持つものが多数あり、他大学の参考・励みとなり得る」と評価する一方、「研究ブランディングに関する計画や成果指標に関し、より具体化して踏み込んだ取組を求めたいものもみられた」と課題を示した。

選択大学には、研究の成果をブランド化につなげるという本来の趣旨を実現するための戦略・PDCAサイクルの実体化などを求めている。