世界で3億人の乳幼児が家庭で虐待 ユニセフが実態報告書

「すぐそこにある暴力」の表紙
「すぐそこにある暴力」の表紙

ユニセフ(国連児童基金)は11月1日、子供への暴力に関する新たな報告書「A FAMILIAR FACE : Violence in the lives of children and adolescents(すぐそこにある暴力)」を発表した。世界各国の統計データを基に、家庭や学校、地域社会など、身近な場所で起こっている子供への暴力の実態を明らかにした。

同報告書は現在、英語などで公開されているが、日本ユニセフ協会によれば、来年1月には日本語版が発行される予定で、専門家の解説とともに可能な限り日本の情報も掲載されるという。

同報告書によれば、乳幼児の虐待では、データが入手可能な94カ国で3億人の幼い子供が、家庭内で養育者から精神的虐待や身体的な体罰を受けていた。4歳までの子供の6億人以上が、家庭での体罰が完全には禁止されていない国で暮らしている実態がある。なお、日本は部分的に禁止されている国に含まれる。

若者に対する性的暴力では、データを得られた28カ国を平均すると、性交を強要された経験のある女子の90%が、最初の加害者は身近な人物であったとした。

若者に対する殺人では、世界で7分に1人の割合で10代の若者が暴力的行為によって殺害されているとした。また、アメリカの10歳~19歳の非ヒスパニックの黒人男子は、同じ年齢層の非ヒスパニックの白人男子に比べ、殺害される可能性が19倍高いと指摘した。

学校内の暴力では、学齢期の子供の半数に当たる7億3200人は、学校での体罰が完全には禁止されていない国に暮らしている実態がある。なお、日本は学校で体罰が禁止されている国に含まれる。

13歳から15歳の子供を対象に、月ごとでいじめを受けたと報告した割合について、平成27年のTIMSSの調査を基にしたグラフも掲載された。それによると日本は18%で、11カ国中8番目だった。最も高いのは南アフリカの47%で、最も低いのはカザフスタンの13%だった。