大分独自の学力調査公表 算数・数学の指導資料を公開

大分県はこのほど、同県が独自に実施している学力定着状況調査の、平成29年の結果を公表した。また、算数・数学で「説明する力」が課題となったのを受け、「説明の基本形」を授業に取り入れた指導資料を同県ホームページに公開した。

同調査は15年から毎年実施され、29年度は私立を含む県内の小学5年生と中学2年生を対象に、小学5年生は国語、算数、理科の3教科、中学2年生は国語、社会、数学、理科、英語の5教科で実施された。また、児童生徒への質問紙調査も実施した。

小学校国語では、目標に達した児童の割合は78.8%で、昨年度より8.1ポイント上昇した。言語活動に関して、ポスターの作成を例に与えられた情報を読み取り、補足する文章を考える問題で正答率が低かった。

算数では、35問中29問で目標を上回った。グラフの読み取りでは、見通しを持ち筋道を立てて考え、表現させる力を身に付けるために、「説明の基本形」に慣れさせる必要があるとした。
理科では、観察・実験の技能に課題がみられた。金属の温まり方のメカニズムに関する問題の正答率の低さや、室内における空気の暖まり方に関する問題の無解答率の高さなどが目立った。改善点として、実験観察の目的意識を持ち、考察、説明する学習指導を充実させるなどが挙げられた。

中学校国語では、全ての領域において目標を上回り、特に「読むこと」においては努力を要する生徒の引き上げに一定の成果がみられた。科学的な文章を読む力や言語活動の質的な向上が必要だとした。

社会では、世界の諸地域に関する思考・判断・表現を問う活用問題で、正答率が目標を下回った。情報を取り出し、比較や傾向の抽出、結果などを関連付けて書くのが課題として挙げられた。
数学では、負の数の除法、比例の式を求める、三角形の回転移動、見取り図からおうぎ形の中心角を求める、ヒストグラムの特徴を読み取り、説明すべき事柄について数学的に説明するなどで課題がみられた。ヒストグラムの読み取りでは、「説明の基本形」を踏まえた授業を行うなどの改善策が示された。

理科では、水溶液の温度と結晶の析出量に関する問題や、物質の質量と浮力の大きさに関する問題などで、正答率が低く、無解答率が高かった。小学校理科と同じ改善点が指摘された。
英語では、単語の並べ替えによる英作文と、場面に応じて書く英作文に課題がみられ、無回答率が30%を超えた。また、長文の読み取りにも課題がみられた。生徒同士がペアで伝え合う活動や、内容を理解した上で英語で書く活動などの改善策が示された。

児童生徒への質問紙調査では、思いを伝える力などで全国平均よりも肯定値の高い質問が増加した。

同県では、算数・数学で説明する力を伸ばすため、「説明の基本形」を取り入れた指導資料として、ワークシートや教室掲示資料、学習指導案などをホームページに公開している。