保育士の奪い合いに懸念の声 待機児童への対策を検討

冒頭で挨拶する小池都知事
冒頭で挨拶する小池都知事

東京都は4月20日、待機児童解消に向けた緊急対策会議の第2回会合を東京都庁で開いた。千代田区や三鷹市など52自治体が参加。小池百合子東京都知事は冒頭で、「待機児童問題は喫緊の課題であり、最重要課題」「保育士の方への支援を手厚くするのが、保護者の方々への支援につながる」と話した。都有地の活用推進や宿舎借り上げ支援の拡大を行っていく。

同会議では、各自治体の現場で何が起こっているのか現状を把握。保育士不足による保育士の奪い合いへの懸念の声が多数聞かれた。

事務局は、同会議での意見交換の主な論点として、▽民有地マッチング事業などの保育所等の整備促進▽保育人材の確保・定着▽保育コンシェルジュの活用などの利用者支援の充実▽居宅訪問型(ベビーシッター)の活用促進などの新たな方策――を提示した。

また待機児童解消に向けた取り組みとして、3つの柱による11の対策をまとめている待機児童解消に向けた緊急対策について説明した。

これらを踏まえ、各市区町村長らは意見を出し合った。

清水庄平立川市長は、保育士不足の問題に触れ、自治体間での奪い合いが始まっていると指摘。保育士に対して家賃補助などの支援を行う必要性を述べ、「一自治体には限界がある。東京都には広域的な視点から手を打っていただき、できるだけ公平で公正な立場で保育士の振り分けをお願いしたい」と要望した。

清原慶子三鷹市長は、清水市長と同様に、保育人材の確保について提言。育児休暇などで長く休んだ保育士資格保持者の多くが職場への復帰を迷っている現状を指摘し、「潜在的を顕在的にしていく必要がある」と述べた。また新任の育成は民間で、現任の研修は東京都でそれぞれ受け持つのがよいと提案した。

田中大輔中野区長は、待機児童数に応じて増員しても、翌年増員分を超す待機児童数が発生するのが現状だと話した。供給をつくると、それを上回る需要が発生するという。

これらの意見を受けた同都知事は、長期の少子化対策として、待機児童問題に取り組んでいく必要があるとした。