ICTリテラシー資質能力で研究 国研が事例交え報告書

国立教育政策研究所は、ICTリテラシーや情報スキルなどに関する資質能力研究の報告書をこのほど公表した。社会の変化や海外の教育動向などを踏まえた基礎資料を収集。学習目標や手段としてのICTリテラシーの在り方を検討した。

平成28年度に終了した同研究では、情報や情報機器の活用に関する資質能力について検討。全学習の基盤としての情報活用能力の在り方を具体的に考える目的も見据えながら、関連する基礎資料の収集と分析を行った。

ICTリテラシーに関わる社会の変化と資質能力目標の遷移では、ネットに存在する膨大な情報を意味のある一貫した知識に変換するリテラシーを持ち、有意義な発信によって他者と相互作用できる資質能力が求められているなどと指摘。

イングランド、韓国、シンガポール、オーストラリアのICTリテラシー育成を巡る教育動向も見ていった。各国では同リテラシーを資質能力の目標に掲げ、その育成を教科横断の活用的な学びを通して進めている。単独の教科学習では、プログラミングを含めたデジタルリテラシー教育に注力しながら、高次の認知能力や情報化社会に対する態度の育成につなげているとした。

ICTを使った学びを支えるためには、協調学習を狙った「グループ・スクリブル」など6つの学習支援システムを活用した学習の特徴とねらいを整理しながら論考。その結果、教えたい目標や内容に応じてICTの機能を選択、創造、活用する必要があり、普段の授業とシステム改善が両輪で必要とする。

ICTリテラシーの育成と評価、同リテラシー育成の支援体制などについても論点を整理した。共通していたのは、情報をどのような目的で活用するのか、活用能力をどのような目的で育て社会の創造や個人の幸福につなげるかの観点で、それが重要としている。教育目標と教科内容、指導方法、評価を一体的に考え実践する必要性も強調した。

教員養成や研修、インフラストラクチャー整備を含めた制度と環境の支援も総合的に行うべきと提言している。

学びの目的やゴールを描いた上でのインフラ整備の流れを実現するのが、ICT活用の日常化を促進し、制度と環境を包括した一体的な改革につながるとも述べている。