新入生が利用法学ぶ 学校に公立図書館併設で図書充実

星野さんの説明を真剣に聞く生徒たち
星野さんの説明を真剣に聞く生徒たち

図書館が子供たちと地域の人をつなぐ――。

東京都杉並区立高井戸図書館は、同区立高井戸中学校(萩原正己校長、生徒数414人)と併設している。同館と同校は4月11日、同校に新しく入学した1年生を対象とした図書館ガイダンスを行った。生徒らは、学校図書館や公共図書館の利用方法を学び、充実した蔵書が揃う館内を回った。

はじめに、同校の学校司書を務める星野美和子さんが、学校図書館の基本的な説明や本の借り方、注意事項などを話した。それに続き、高井戸図書館に勤める眞坂真穂子さんが同館について説明した。

同館では、中高生だけが入室できる「YA(YOUNG ADULT)広場」を設けている。放課後に来館した生徒らが宿題や読書をしたり、設置されているラジカセでCDをかけたりして好きなように過ごせる空間になっている。

説明を受けた生徒らは、広場にある漫画に興味津々。「あの漫画もある!」などと、盛り上がる様子が見られた。

同校と同館を結んでいる扉が開くのは、昼休み。生徒は13万6799冊の本であふれる大きな世界へと飛び込む。本の世界に夢中になる生徒がきちんと学校に戻れるように、同館では、昼休みが終わる時間に同校の図書委員が「高井戸中学校の生徒は学校に戻ってください」などと呼び掛けているという。

ガイダンスでは、これまで高井戸図書館の利用カードを持っていなかった生徒もカードを作り、全生徒が同館を利用できる環境にした。もし利用カードを忘れてしまっても、学校図書館の利用カードで高井戸図書館の本を借りられるよう工夫している。

星野さんは「図書館に行く機会がない生徒も、学校とつながっていると利用しやすい。昼休みに図書館の本を借りたり返したりできるのはとてもよい」と話す。

同校の生徒は、調べ学習の授業などでも同館を利用している。他にも、生徒による絵本の読み聞かせ会の開催や、図書委員が自ら選んだ本の紹介ポップを作成するなど、地域の人との交流も行っている。

また同館では、中高生が図書館への要望を書いたり自分たち同士でメッセージ交換ができたりする「ゴーゴーメール」掲示板も設置。広く子供たちの声を積極的に取り入れている。

学校図書館図書標準によれば、同校規模の中学校の蔵書冊数は約1万1千冊。その12倍以上の図書が、扉1つでつながっている。