短時間集中の学習に効果 内容の定着など実証実験

東京大学薬学部の池谷裕二教授は、勉強時間による学習の定着や集中力に関する実証実験を行った。それによれば、長時間よりも短時間に集中して行う学習の方が、学習内容の定着や集中力の維持に効果的との結果だった。

実験は2月2日と3日と10日に実施。中学校1年生29人を、事前テストの結果をもとに、学力が均等になるよう、①60分学習=10人、60分×1セット②45分学習=10人、45分×1セット③15分×3学習=9人、15分×3セット、7.5分休憩×2回――の3グループに分け、各自、英単語を覚える学習を行った。

その後、実験の当日、翌日、1週間後に、定着度を測る事後テストを実施。教室には定点カメラ、目線カメラを設置。2人の生徒には脳波計を用いて集中力の推移を計測した。

その結果、学習内容の定着では、③の「15分×3学習」グループに最も効果がみられた。1週間後に実施した事後テストの結果、同グループは事前テストよりも平均18.75点上昇。①の「60分学習」グループの16.00点よりも上昇率が高かった。

休憩を入れて行う短時間積み上げ型の学習が、学習内容の定着に有効的である可能性が示される結果となった。

集中力については、脳波計を装着した①グループの対象者の脳波データで、集中力に関係する前頭葉のガンマ波が40分以降急激に低下した。これにより、集中力の持続は40分程度との可能性が示唆された。

その一方で、③グループは、休憩を挟んでガンマ波が回復。学習時間を通して集中力は一定のレベルを維持した。休憩を入れることで集中力が維持される時間が増え、少ない学習時間でも、高得点だったと考えられる。

これらの結果を受けて池谷教授は「休憩を挟むのは集中力の維持に寄与し、より少ない学習時間にもかかわらず、長期的に見て高い学習効果を発揮する可能性が示唆される。今回の実験は小規模調査だった。統計学的な有意差を得るためには、今後、大規模な実験を行う必要がある」としている。
実験の実施には、㈱ベネッセコーポレーション「進研ゼミ中学講座」が協力した。