文科相が原発いじめ防止で発信 放射線や被災地理解を

被災児童生徒への格別の配慮を呼び掛けた
被災児童生徒への格別の配慮を呼び掛けた

松野博一文科相は4月11日の会見で、東日本大震災の原発事故で避難している子供たちへのいじめ防止に関するメッセージを示した。

児童生徒への呼び掛けでは、「いじめを防ぐためには、相手の立場になって思いやりをもち行動するのが必要。震災を経験し、ふるさとを離れ、慣れない環境で生活を送る友達を理解し、寄り添い、支え合いながら学校生活を送ってほしい。放射線についての科学的な理解も大事」などと述べた。

教委や教職員に対しては、福島県から避難している児童生徒のいじめ状況に関するフォローアップの結果を踏まえ、「被災児童生徒がいじめを受けた事案が発生している。その中には、いじめ防止対策推進法に則った適切な対応を行わず、被害を受けた子供が深く傷つく事案もあった」と指摘。「児童生徒が放射線に関する科学的な知識を身に付け、被災地の状況に係る情報を正しく理解できるよう取り組んでほしい」とした。

また保護者、地域住民へは、大人側に理解不足や配慮に欠けた言動があるとも考えられ、まずは大人側が避難住民の思いを理解し、科学的な理解を深め、その上で、学校や教委と連携し、いじめをなくす取り組みを行うよう依頼した。

同省では、原発事故で福島県から同県内外に避難している児童生徒の、平成28年度におけるいじめの状況確認に関するフォローアップを実施。同日に結果を公表した。昨年12月16日付の通知を踏まえ、それ以降に全国の小・中・高校、義務教育学校、中等教育学校、特別支援学校が把握した事案や対応について取りまとめたもの。

フォローアップには、27年度以前に把握したものも含まれているが、28年度に限れば、避難児童生徒へのいじめの認知数は129件。そのうち震災か原発事故に起因・関連するものは4件だった。公立小学校では、「仲の良い友人からの言葉のふざけ」「友人と震災に関わる話題になって嫌な思いをした」、公立中学校では、「震災に関わる悪口」「福島原発というからかい発言」があった。

同相は、一連のいじめの背景を「放射線に関する理解不足や被災児童生徒の状況への理解不足がある」と話した。