中学校向けLGBT教材 理解啓発のため無料で提供

n20170331_06LGBT教材特定非営利活動法人ReBitは3月30日、同性愛者や性同一性障害者などのLGBTをはじめとする性的マイノリティに関する教材キット(写真)の提供を開始した。中学校教員には無料で頒布する。内容は、教員向けの指導案、生徒向けの映像教材など。LGBTの基礎知識から道徳授業での実践などまで、幅広く活用できる。

教材の名称は「アライ先生キット」。性的マイノリティを理解し応援する人を指す「アライ(Ally)」から取った。当事者の声を多数掲載しているので、子供の困りごとを深く理解できる。

性的マイノリティ応援者を示す国際的なシンボル「6色レインボー」のステッカーも同封。教員が子供の目に届く場所に貼って相談しやすい雰囲気を作ったり、多目的トイレなどに貼って子供が利用しやすい環境を作ったりできる。

また道徳の授業で活用できる指導案や指導の手引、ワークシートや配付資料なども揃えている。15分の映像教材には、当事者の声を収録。生徒が理解を深めるのに役立つ内容になっている。

教材一式は、同法人サイトで無料公開されている。同サイトから、製品パッケージとしての送付も申し込める。中学校教員以外には有償で頒布。中学校に寄付したいなどの意向で一般からの申し込みも受け付ける。

㈱電通の電通ダイバーシティ・ラボの調査によると、LGBT層に該当するのは13人に1人に当たる7.6%。博報堂DYグループの専門シンクタンク㈱LGBT総合研究所による調査では、職場や学校で、LGBTについての理解や配慮があるのは重要だと思うかの問いに、「はい」と答えたLGBT該当層は51.6%、該当しない層でも42.8%で、LGBTの理解への対応が求められる。

一方、ライフネット生命保険㈱と日高庸晴宝塚大学看護学部教授の研究室によるLGBTの人を対象にした調査では、回答者の58.2%が小・中・高校時代にいじめられた経験が「ある」と回答。いじめられた経験がある人で「先生がいじめの解決に役に立った」としたのは13.6%に留まった。

またこれまでの学校生活で同性愛について「一切習っていない」人は68.0%。「『異常』なものとして習った」人が5.4%、「否定的な情報を得た」人が17.2%だった。一方、「肯定的な情報を得た」人は7.5%と1割に満たなかった。

文科省は平成27年、LGBTの児童生徒へのきめ細かな対応を求める通知を全国の教委などに出している。学校で正しい知識や理解を深め、どの子も変わらない学校生活を送れるような環境が求められる。