児童の総合的な理解が不足 教員の生徒指導力を調査

全連小(大橋明会長)がこのほどまとめた平成28年度の研究紀要によると、児童の問題行動に対する教員の生徒指導力の問題は、「児童を多面的・総合的に理解しようとする児童理解力が不足している」が最多だった。

調査は昨年7~8月に実施。公立小470校の校長から有効回答を得た。

問題行動に対する教員の生徒指導力について(複数回答)、「児童を多面的・総合的に理解しようとする児童理解力が不足している」67%、「児童が自ら考え主体的に行動することを促す指導ができない」58%と、多くの校長が選択した。

教員の生徒指導力向上のための取り組みは(複数回答)、「わかる授業、充実感が味わえる授業の実践」79%、「一人一人のよさを認め、温かい人間関係を育む学年・学級経営」76%と、授業改善や集団づくりを中心に指導力向上を図っているのが分かった。

問題行動に関する6年生に関して尋ねた設問では、「掲示板・LINEなどの送受信で児童が中傷されたり、脅されたりした」事例は108件。「チャットやLINEなどで知り合った人に児童が遊びに誘われたり、呼び出されたりした」は30件で、昨年度比約2倍となった。

学級崩壊が平成27年度にあったとの回答は12%。原因として最も多かったのは(複数回答)、「教師と児童、児童相互の好ましい人間関係が築けなかった」84%、次いで「特別な支援や教育的配慮を必要とする児童がいた」75%だった。

児童虐待(疑わしいものも含む)が、平成27年度にあったと答えたのは35%。虐待の種類では(複数回答)、「保護者の怠慢・拒否による生活面の虐待」181件、「暴力等による身体的虐待」131件、「言葉等による心理的虐待」38件、「性的虐待」6件。

また虐待の発見は(複数回答)、「学級担任等からの連絡」が72%で圧倒的に多く、「養護教諭からの連絡」28%も年々増加してきている。

学校から児童相談所に通報したのは、78校だった。

いじめ(疑わしいものも含む)が平成27年度にあったと答えたのは、73%に当たる342校。どう把握したかは(複数回答)、「被害者の保護者から直接訴えや相談があった」228件、「アンケート等の取り組みの中で発見した」216校、「児童自身(被害者)から直接訴え・相談があった」192件、「教職員が発見した」172件だった。

疑いを含めていじめがあったとした342校で、延べ回答数は947件あり、1校平均2.8件(前年度は2.6件)の把握状況となった。

不登校(欠席日数年間30日以上)が、平成27年度にあったと答えたのは58%。不登校の背景や原因は、「家庭環境の変化や親子関係の問題」が69%と突出していた。