いじめ解決に先生は役立たなかった LGBT調査で判明

調査結果を発表する日高教授
調査結果を発表する日高教授

ライフネット生命保険株式会社と宝塚大学看護学部日高研究室は3月23日、「LGBT当事者の意識調査―いじめ・職場環境問題―」の結果を、東京都新宿区の宝塚大学東京新宿キャンパスで発表した。日高庸晴宝塚大学看護学部教授が実施したこの調査によると、同性愛者やトランスジェンダーなどの性的少数者であるLGBTの約6割が学校生活でいじめを経験し、そのうち先生が「いじめの解決に役立った」との回答は約1割だった。学校現場での正しい知識や理解が広がらず、教員が子供を支えられていない状況が浮き彫りになった。

調査は、同教授が同社から委託を受け、LGBTをはじめとするセクシュアルマイノリティ当事者を対象に実施。

当事者が利用するサイトやアプリにバナー広告を掲出。SNSを通じて研究参加者を募り、10歳代から90歳代までの1万5141人から回答を得た。そのうち、国内在住者1万5064人の回答をまとめた。

調査時期は昨年7月15日から10月31日まで。

それによると、回答者の58.2%が小・中・高校時代にいじめられた経験が「ある」と回答。「ホモ・おかま・おとこおんな」などの言葉によるいじめは63.8%が経験しており、18.3%が服を脱がされるなどのいじめを経験していた。また21.1%が不登校を経験していた。

いじめられた経験がある人で「先生がいじめの解決に役に立った」と回答したのは13.6%に留まった。この回答は10代の19.9%が最も高く、年齢層が上がるほどその割合は減少。若年層ほど先生が助けになったと認識していると分かった。

これまでの学校生活で同性愛について「一切習っていない」は68.0%。「『異常』なものとして習った」が5.4%、「否定的な情報を得た」が17.2%だった。その一方、「肯定的な情報を得た」は7.5%と1割に満たなかった。

またカミングアウトについては、22.0%が親にしており、職場や学校に対しては、27.6%だった。

職場や学校で差別的な発言を経験した人は71.7%となった。

同教授は、「目を背けていると、当事者の生きづらさは変わらない。よりきめ細やかで必要な施策を継続してやっていくのが大切」と話した。