子供に財産を残したい 学資保険加入で東大が調査

働き方とライフスタイルの変化について、全国調査を毎年実施している東京大学社会科学研究所の石田浩教授らの研究グループは、平成28年4月から6月まで行った第10回の集計結果を、このほど公表した。同グループは調査結果をもとに、学資保険への加入行動を分析。裕福な世帯ほど加入率は高く、子供が女子だけの世帯では、やや低い傾向がみられた。

第10回調査の対象は、平成19年の時点で20歳から40歳だった若年・壮年層で、3439人に調査を実施した。

子供のいる人のうち、57.9%が学資保険に加入。世帯収入別でみると、350万円未満の加入率が最も低く、51.4%だった。最も加入率が高いのは650万円以上850万円未満で、61.8%だった。

子供の性別で加入率をみると、男子だけがいる世帯の加入率は59.1%、女子だけが54.6%、男子・女子両方いる世帯では59.4%。子供の人数別では、1人だけの世帯は加入率56.1%、2人は59.0%、3人は57.5%だった。

子供への教育意識については、「できるだけ高い教育を受けさせたい」「学校教育以外に、家庭教師をつけたり塾に通わせたい」の2項目では、学資保険に加入している人とそうでない人では差が見られなかった。ただ、学資保険への加入行動と「できるだけ財産を残してやりたい」との意識には、統計的に有意な関連が見られた。

これらの結果について同研究グループは「女子だけの世帯で加入率が低いのは、男子だけの世帯と男女両方の子供がいる世帯で、教育費を払えなくなるというリスクがより強く意識されているのかもしれない。子供に財産を継承したいとの希望は、親の経済的豊かさにかかわらず、広く見られる。学資保険への加入が、その継承を確実に行うためのリスク回避的な性格を持っているのではないか」と分析している。