中学校技術・家庭科学習指導要領案 設計・評価重点に

学習指導要領案 教科・領域改訂のポイントをどう考えるか 〈14〉中学校技術・家庭科(技術分野)

2月14日に公表された学習指導要領案の中学校技術・家庭科(技術分野)について、改訂のポイントを、日本産業技術教育学会前会長の古川稔福岡教育大学特任教授は、次のように指摘する――。


◇技術を使うと作り出すの資質能力育成を目指す◇

従来の学習指導要領では「何を学ぶか」が中心だったが、新しい学習指導要領案では「何ができるようになるか」に重心が移された。「どのように学ぶか」については、「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」の3つの柱が示された。

その中の「主体的な学び」と「対話的な学び」はすべての教科を通して実行できる部分が多いが、「深い学び」は教科固有の見方・考え方による学習を通して達成されるものと考える。

技術分野で育成すべき資質・能力は、技術を評価、選択、管理・運用、改良、応用する力である。つまり、技術を使う立場と作り出す立場の両方の資質・能力の育成を目指している。新しい学習指導要領案の技術分野で取り扱う内容項目は、従来と同様「材料と加工」「生物育成」「エネルギー変換」「情報」であるが、大きく3つの点が変更された。

◇4内容すべてで生活や社会とのつながり重視◇

第1は、「エネルギー変換」と「生物育成」の順序が入れ替えられたことである。小学校で行われているアサガオやイネの栽培学習とのつながりを意識して「生物育成」は中学校の低学年で、「エネルギー変換」は高校の学習との連動を考慮して中学校の高学年での学習が適当との理由からである。

第2は、4つの内容すべてに「生活や社会を支える技術」が項立てされた点である。これまでは、「材料と加工に関する技術」だけに「生活や産業の中で利用されている技術」の項目が立てられていたが、生活や社会の中から技術に関する問題を見いだし、課題を設定するのを重視したため、すべての内容に項立てされた。

第3は、「情報の技術」に、双方向性のあるコンテンツに関するプログラミングとネットワークやデータを活用して処理するプログラミングが加えられた点である。これは、小学校でのプログラミング教育の導入に連動したものだ。

◇ウエートを移す必要がある◇

新しい学習指導要領案の技術分野の学習過程には、「既存の技術の理解と課題の設定」「技術に関する科学的な理解に基づいた設計・計画」「課題解決に向けた製作・制作・育成」「成果の評価と次の問題の解決の視点」が示されており、従来とほぼ変わらない。

授業時数が少ない中で前述のような多くの資質・能力を育成するためには、これまで大きなウエートが置かれてきた製作などから、今後は「設計・計画」と「評価」に移す必要があると考える。

【関連記事】

◯【新】学習指導要領の関連記事