ICTを活用し思考力を高める 重要なのは授業デザイン

授業デザインとICT活用の重要性が確認された
授業デザインとICT活用の重要性が確認された

(一社)日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)主催の平成28年度成果発表会「教育の情報化推進フォーラム」が3月3、4の両日、都内で開催された。パネルディスカッションでは「思考力を高めるICT活用」をテーマに、授業デザインなどについて話し合った。

パネルディスカッションでは、コーディネーターを同振興会の赤堀侃司会長が務め、パネリストとして平井聡一郎茨城県古河市教委教育部参事兼指導課長、益川弘如静岡大学学術院教育学領域准教授、三宅貴久子NPO法人学習創造フォーラム理事、山本朋弘鹿児島大学教育系講師が登壇。

平井参事兼課長は「古河市では、ICT機器をアウトプットのツールとして捉え、『プレゼンテーション』『プログラミング』の2つのPを大事にしている。自分の考え方をまとめ、それを分かりやすく伝えるには、プログラミング的思考、とりわけ、物事の順序を大切にした考え方が大切。普段の授業に自然な形で落とし込み、『プログラミングを学ぶ』ではなく『プログラミングで学ぶ』という考え方が重要」と述べた。

益川准教授は「知識の比較・俯瞰・統合・吟味など、思考力を発揮するとより深く学べると、各教科・各学年で数多く経験させるのが大切。各教科の見方・考え方に沿って、児童生徒が知っていることを基に思考力などを発揮したくなる機会を授業で準備する。そのためにICT学習環境を用意し、支援する」と強調した。

三宅理事は「思考力を高める授業とは、新たな考えの創出。そのためには思考ツール(シンキングツール)を活用し、自分の考えをまとめ、思考プロセスを可視化するのが大切で、ICT機器との相互作用の中で思考活動が生まれる。そのためには、子供たちが考えたくなるような授業デザインが重要」と指摘した。

山本講師は「児童生徒の思考力を高めるのは、『教師の授業デザイン』。思考を高めるICT活用のポイントは、①個人思考の時間の確保②学習規律(学び方)の定着・徹底③読む・聞く・書く・話すを鍛える④体験と関連させ、実感させる⑤消費的活用ではなく創造・生産的な活用」と、学校での活用事例を交えながら述べた。

まとめで赤堀会長は、「児童生徒に何事も『やってみたい』と思わせるのが大切。ICTはそのためのツールとして重要だ」と結んだ。

フォーラムでは他にも、次期学習指導要領に向けた講演やワークショップ、調査や実践事例などの報告が行われた。