【連載】目指せ管理職 選考試験を突破しようⅢ 第26回 校内の陣容を整えていく

○誰がリードマンなのか考える

校長は教職員の服務、児童生徒の安全管理や事務・設備など学校で行われる全てについて維持・管理する責任を負っている。同時に、経営のトップとして、計画的・継続的に事業を遂行し、学校教育目標を達成する責務を負っている。しかし、「目標を達成するための学校運営がうまくいかない。学校づくりがうまく進まない」との悩みを持つ校長は多い。しかも、これらは他に相談しにくいものである。これを解消するための校内の陣容を整えることについて考えてみたい。

学校運営は、主に校務分掌に基づく組織を中心として行われる。したがって、校内全体をみて、誰がリードマンなのか、各分掌にどう人材を配置するかがポイントになる。

○年齢や経験年数よりは各教員の特徴(良さ・強み)を見分ける

教員は同じではない。仲間に人気があり、職場を明るくする者(人間関係、コミュニケーション)、児童生徒との関係作りが上手な者(生徒指導)、指導法や理論研究に熱心に取り組む者(研究肌)、仲間に信頼があり、仲間を引っ張っていく者(リーダー性)、などを丁寧に見分け、その良さを伸ばす位置や役割を与えることである。

校内人事を考える際、本人たちの希望を取るのはいい。しかし、それはひとつの資料であり、校長として、本人を生かし、伸ばし、人の組み合わせを考えるなど、適切な学校運営が行われるよう分掌・役割を与えることである。

○良いアイデアを大事に中心的な推進者を増やす
▽良いアイデアを実施案まで作成させる。立案に際して補助する。
▽良いアイデア、発想は受け入れ合う。企画・立案のための打ち合わせ、会議は徹底的にフランクにする(どこを、どう工夫したかをポイントに発表・議論する)。
▽実施案を共有できるようリーダー群に助言・指導する。

学校運営の大事な点は、良い実践案が1人の教員から2人の教員へ、そして圧倒的に教員に受け入れられ、一致団結して実施されることにある。それが質の高い教育活動を生み、教員の力量アップにつながり、一人ひとりが積極的に参画する学校運営が可能となる。

○校長と個々との関係性を深める

校内の陣容を整えるには、個々の教員と校長との間に強い信頼関係がその基盤となる。これがあってこそ、校長による校内の人的配置も的確に行われる。次に大事なのは、校内に、いかに経営スタッフを増やし、質を高めるかが課題となる。校長、副校長(教頭)のみを経営層と限定的に捉えずに、主幹教諭、指導教諭や主任クラスの教員を経営スタッフに組み入れるとの校長の考えや裁量が発揮されるべきである。

校長とともに学校経営に対する自覚が生まれれば、学校を動かす力は倍増する。そのためには、こうしたメンバーと校長との関係性は、相互の強い信頼と目指すべき学校の姿が共有されることが望ましい。もちろん、主幹教諭、指導教諭や実質的なリード役の教員と胸襟を開いて、じっくりと話し合ったり、接していくことが大切である。

○人事期、人材確保のために多様な取り組みをする

人材は、年齢や経験年数によるものではなく、その者の持つ資質力量によることを改めて考えたい。その上で、人材をどう確保するかが課題となる。

人材確保には、「どんな教育活動に重点的に取り組むのか。あるいは特色ある教育活動に取り組むのか。それにはどんな人材が必要か」「校内に人材がいるか。足りるのか」「次なる人材を育てているか。どう育てるのか」「外部からスカウトするか」などが検討されなければならない。そして、人材育成計画や確保の方策を持ち、経営スタッフの総力で実施する仕組みを作りたい(職に応じた能力開発、教科専門性)。

必要な人材は校内の教職員によるのが基本であるが、教科専門性などから外部人材に依らざるを得ない場合もある。これから人事期に入るにあたって、校長としては十分に検討した上で教育委員会の人事担当者に人事の要望として伝えたい。人事に関して必要なことを明確に伝え、より良い人的環境を整えるのは、校長の最も大事な職務である。