【連載】校長のパフォーマンス 第68回 IoTの衝撃とは何か

教育創造研究センター所長 髙階玲治

 

最近、中教審の分科会等でIoTが話題に出された様子で、具体的な内容は分からないが、「やはりそうか」という思いがした。

IoT(Internet of Things)は「モノのインターネット」といわれるものであるが、私がやや詳しく知ったのは『DHBR』(平成23年4月号)であった。特集テーマが「IoTの衝撃」である。その後、新聞の経済欄などにIoTの記事が載ることが急激に増加した。最近、同名の本が出版されている。

IoTは私にとって遠い世界であるが、教育の世界で話題になるのは予想されることであった。ただし、どんな話題になるのか、そこが興味深いことである。

先だってもNHKの朝の番組でIoTの紹介があった。天気予報を知らせる傘、分別ごみの曜日を知らせるごみ箱、ダンスに合わせて光ったり音が出たりする靴。そんな新しいモノの動きを写しだしていた。
スマホがあれば可能というだけで、どうしてそれが可能なのか、IoTそのものの説明はなかったが、新しいモノが身近なところに出現していることは確かである。教育の実践の場でも何か新しいモノが出現しそうである。

識者によれば、これまでの人と人をつなぐインターネットは完結レベルであって、これからは人、モノ、データ、サービスのつながりが重視されるという。特に注目されるのはデジタル機器の処理能力の向上と機器の小型化のめざましい進展、そしてワイヤレス接続の普及というネットワーク化などである。接続機能が進歩した結果、産業や生活に必要な多様な革新が可能になってきたという。「接続機能を持つスマート製品」と呼んでいる。

さらにICTやIoTとAI(人工知能)などを組み合わせて、例えば作物栽培や家畜の健康管理、災害予測システムへの活用、高齢化が進む地域での健康管理や御用聞き、遠隔操作による省エネなど、すでに開発がかなり進んでいるものもある。

スマート製品の普及は、人々の社会意識を変える方向で進むという。これまで企業と消費者は何十年もの間、大量消費、低価格化、使い捨てを続けてきたが、スマート製品によって、必要な製品を購入し、付加価値を付け、改良してよりよいものに作り替えるなどの意識の転換がおきるという。

そうした動きが学校の実際の場にどう影響するのか。パソコンやタブレットが普及し、デジタル教科書が活用されるとき、接続機能が容易になって、IoT化が急激に促進されるのではないかと考える。
教育のIoT化は、決して未来形ではなく、近い将来何らかの形で学校に浸透するのは確かであろう。IoTの普及には必要性が明確で、容易に理解・活用されることが期待される。