【連載】神谷正孝の5分でわかる教育時事 第13回 試験に出る学力調査

教育施策の指標で使用

皆さんこんにちは。仙台を拠点とする教員採用試験対策専門スクールkei塾主任講師の神谷です。今回は、教育施策の指標となる3つの学力調査について概要を整理し、要点を確認していきたいと思います。

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文科省が教育施策の指標として使用している2つの国際的な学力調査が、PISAとTIMSSです。

PISAは経済協力開発機構(OECD)が加盟国の15歳生徒を対象に実施する「OECD生徒の学習到達度調査」であり、数学的リテラシー・科学的リテラシー・読解力など実社会で活用できる能力を測っています。

対して、TIMSSは、国際教育到達度評価学会(IEA)が行う、「国際数学・理科教育動向調査」であり、学校の教育課程の習得状況を図る調査です。

PISAが、活用力を測る問題に特化して出題しているのに対し、TIMSSは、理数科目の基礎知識を問う問題が主流です。両調査とも、学習習慣についても調査しており、その結果と学力を関連付けて考察しています。

これらの2つの国際的な学力調査と、文部科学省が毎年実施している「全国学力・学習状況調査」を加えた3つの学力調査について、どのような学力を評価しているのか、また対象はどの学年なのか、などを確認しておきましょう。

■PISA2015のポイント

PISA2015では「科学的リテラシー」分野が中心出題分野でしたが、この科学的リテラシー・数学的リテラシー・読解力のいずれにおいても平均得点が高い上位グループに位置しています(ただし読解力については、コンピュータ使用型調査導入の影響もあり、前回から有意に低下)。3つのリテラシーのうち、平均得点が一番低いのは過去の調査のいずれにおいても「読解力」で、「自分の考えを説明すること」などに課題が指摘されています。また、生徒の科学に対する態度の調査では、「将来に理科学習が役に立つ」と考える生徒の割合が増加しています。

■TIMSS2015のポイント

TIMSS2015では、小学校4年生・中学校2年生の算数(数学)・理科のすべてにおいて前回調査よりも有意に平均点が上昇しています。TIMSS2003で小学生の理科と中学生の数学が有意に低下してから、小学校では前回調査から上向きの傾向があったものの、今回中学校でも上昇しています。今回の調査対象の中2が小3の時に、平成20年改訂学習指導要領の理数科目分野の内容増加部分が先行実施されました。そのことも影響していると思われます。算数・数学、理科に対する意識も向上しており、国際平均との差も縮まっています。

■全国学力・学習状況調査のポイント

全国学力・学習状況調査は上記2つの調査とは異なり「悉皆調査(全数調査)」形式で実施されています。全国の国公立小・中学校すべてと、一部の私立学校が参加しています。今回が、復活後10回目の調査でした。その平成28年度の調査では、得点が下位の都道府県の成績が全国平均に近づく状況が見られ、学力の底上げが進んでいることがわかります。知識を問う「A問題」の得点率は順調に伸びていますが、活用力を問う「B問題」に引き続き課題が指摘されています(特に、「根拠に基づいて説明すること」に課題)。

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