元全国小学校道徳教育研究会会長 馬場 喜久雄
子どもがけがをした。どうする?
〈質問〉 休み時間に、一郎君が、「先生、大変大変」と職員室にいた私の所へかけてきました。どうやら正夫君が、鉄棒から落ちてけがをしたようです。あなたは、どうしますか。
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A1―1 まず、すぐ現場に行きます。様子を見て、保健室に連れて行けそうなら保健室に連れて行きます。
Q1―1 それからどうしますか。
A1―2 すぐ、校長先生か、副校長先生に知らせます。
Q1―2 病院へ連れて行かなければならなくなりました。どこの病院へ連れて行きますか。
A1―3 校医さんに電話をして、それから連れて行きます。
Q1―3 何か忘れていませんか。
▽気を付けようポイント
けがの様子次第では、病院へ連れて行くことが大切です。が、その前に、家庭に連絡しましょう。けがしたことを簡単に心配させすぎないように伝え、かかりつけの医者を聞くことが大事です。
◇ ◇ ◇
Q2―1 もし、救急車を呼ばなければならないとき、どんなことに注意しますか。
A2―1 先ほどと同じように、保護者に伝えます。
Q2―2 そうですね。でも、最初の事例と違うところはないですか。
A2―2 救急車だと、行き先が分かりません。保護者に学校に来てもらえるのか、行った先の病院に来てもらうのか聞きます。
Q2―3 そうですね。さて、救急車はどう呼びますか。
A2―3 119で呼びます。
Q2―4 それだけでいいですか。
▽気を付けようポイント
救急車を呼ぶときは、全校の児童に配慮するいくつかのポイントがあります。児童が驚いたり、不安になったりしないように、サイレンを流さずに来てもらうことが大事です。単に、119ではなく、地元の消防署に電話した方がいいでしょう。
◇ ◇ ◇
▽回答のポイント
(1)けがを知らされたら、まず現場に行くことが大事です。
(2)養護の先生、学年主任、管理職への連絡も的確に行います。
(3)救急車を呼ぶときは、全校児童が不安にならないようにすること、校庭に救急車が入ってくる場合は、校庭にいる児童の安全に気を付けることなどが大切です。
(4)学校から病院へ連れて行くときは、保護者に連絡して、かかりつけの医者を聞きます。また、どこに来てもらうのかも大切です。
(5)車で学校から病院へ連れて行くとき、職員の車は使いません。タクシーを呼びます。誰が一緒に行くかも大切なことです。
(6)どのような状況でけがをしたのか、本人や、見ていた子どもに聞いて記録しておくことも大切です。
(ア)一人で鉄棒から落ちたのか
(イ)誰かと何かやっていたのか
(ウ)日頃の教師の指導に問題は無かったか
(エ)鉄棒に不備はなかったか――など。
子どもの安全管理は、特に大切なことです。何を聞かれても大丈夫なように準備をしておきましょう。