「授業再現ノート」で深い学び(2)「再現」で育むもの

eye-catch_1024-768_arakawa栃木県上三川町立本郷北小学校教諭 荒川 景子

■自立的に学ぶこと

「授業再現ノート」は、家庭学習で算数の授業を再現することで、学びの再構成を意図したものである。家庭学習用に、算数専用のノートがあるというこだ。

算数の時間に、このノートを手元に置く子も現れるくらい、大切な存在と思えるものとなる様子が見られる。「きのう、整理して分かったことだけど」「疑問が生まれました」などと、良いつながりを生み出す。

毎時間ではなく、特に単元前半の、新しい学びを既習をどう生かして生み出したかや、中盤以降のそれらをどう使って問題解決を行ったかなど、自分なりに再構成をしてほしいときに課題とする。

必要感があるときは、自主的に再現を行う子もいる。本来の求める姿であるが、そうなるまでには、歩み方を教えていくことが必要で、教師の「教える」ことの具体の一つである。

たどるべきプロセスも個々に必要となる。

■考えた足跡を蓄積すること

授業再現ノート:5年生「単位量あたりの数」
授業再現ノート:5年生「単位量あたりの数」

この再現は、算数の授業を「対話で創造的に創る」と意識的に変えた際、子供の「授業は楽しいけどノートがスカスカ」「ノートを書く時間をください」「明日の算数に、今日の黒板があるといい」という声を受けて始めたものだ。

黒板には、対話で試行錯誤してたどり着いた問題解決や、生み出した知識への足跡がいっぱいに残されているのに、それらをどのように自分の学びとしてノートに記録したらよいのかを、配慮、指導しないままいたことを、反省させられた。

ただ黒板を写すだけではない、確かに悩み、学び合った軌跡を残したいという、子供の願いもあることが分かった。まずは、「考えることで知を得る」を促進させる、毎時間のノートの在り方を考える必要に迫られた。

当時、毎日、200字程度の日記を書き、学校の1日を振り返り、全てを受け入れ成長する自分の姿を「学び」として記録していた。そこでは、算数の内容がとても多く、そのようなことも書き込めるものがいいという意見もあった。

算数の時間に、知識だけではない感動や思い、「情」を大切にすることを、子供が求めていることを知った。

このように、「知と情」の双方を大切にする記録の在り方は、「楽しく学んだ知識も1日経つと消えてしまう」という、ありがちな現実の解消にもつながるのではないかと考えている。

対話型の授業は子供にとっても魅力的であるが、それは創造の体験があるからこそ得られる情意である。創造的に考える自分の確かな蓄積の一助となってほしいと願う。