いじめ撲滅 子どもたちの問題解決力を育てる(7)保護者参加と開かれた学校

eye-catch_1024-768_hiratsuka_fin「子どもの 子どもによる 子どものための世直し塾」塾長 平墳雅弘

子ども裁判に参加した生徒の声を紹介する。

「このやり方だと素直に反省できます。ケンカした友達とも仲直りができました」(中1男子)

「裁判員になっていじめなどの問題をどう解決していいのか分かりました。特に良かったのは、友達の悩みを真剣に考える裁判員の姿です。仲間関係も深まり、みんな心がきれいになったと思う」(中2女子)

「はじめ、クラスで悩んでいる友達をわたしの力で解決するなんてできないと考えていました。でも裁判員になって『そうでもないかな』と思い始めました。裁判で『こうしたらいい』とか『やめた方がいい』とかみんながいろいろ意見を出し合いました。意見を出し合うことで、いじめが解決していったと思います」(中2女子)

「身近な友達に意見されると、気になって悪いことはやめようと思う」(中3男子)

いじめが繰り返されて子どもや教師がリスクを背負い続ける背景には、組織としての自浄能力の欠如と、現実を無視したいじめの認識がある。

教育行政は、いまだに「親身の指導を行う」とか「教師の指導観が問われる」などと場当たり的な言葉を並べて子ども参加を拒んでいるが、子どもの権利侵害に他ならない。

書店には、「教師だけがいじめを指導できる」とか「黄金の3日間」などのパッケージ型指導書が並ぶが、こうした子どもと対峙する教師主導の指導法は、子どもや教師のリスクを増幅させて危険極まりない。

いじめの解決に保護者との日常的な連携は欠かせないが、保護者はいじめから遠ざけられてきた。

最後に、保護者が加わった実践例を紹介する。岐阜県大垣市の安井小学校では「学校生活サポートボランティア」として、新学期に同校の母親や祖母、民生委員らが子どもたちの給食配膳や、掃除の支援を行っている。

新学期は1年で最も忙しく、子どもも教師も落ち着かない。ある担任は「すごく助かる。子どもたちを見ながらの給食配膳は大変」とし、ある保護者は「学校に来る機会にもなった。慌ただしいが楽しい」と語った。

同校では、授業後の学習やクラブ活動などにも地域住民の参加を広げ、効果を上げている。

いじめを克服し指導リスクを軽減するには、子どもたち自身の問題解決力の育成が必要不可欠だ。そのための子どもと保護者の参加は、最後に残されたベストの選択である。

(おわり)

(元公立小中学校教師)