【連載】若手教師講座 授業づくり・学校づくり 第11回 授業づくり・学級づくりの基礎基本⑪

監修(一財)総合初等教育研究所 梶井貢
担当 東京都多摩市立多摩第二小学校 坂野真貴子
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全体指導と個別指導をうまく組み合わせる 1単位時間の授業計画を大切に

一斉指導を進めていくと、全体での指導では指示が通らなかったり、理解ができなかったりする児童が出てきます。しかし、一斉指導の中に個別指導を入れてしまうと、全体の授業の流れが中断してしまい、授業を進めていく上で、支障が出てきます。「一斉の指示でいつも伝わらない子がいる」「個別に時間をとることができない」「個別にどんな支援をしたらよいのか」「作業が早く終わってしまった子にはどうしたらよいのか」等、1単位時間の授業を進めていく上で、全体指導と個別指導の兼ね合いが、なかなかうまくいかないことがあります。

参照(PDF

▽全体指導の中に個別指導を組み入れるにはどうしたらよいのだろうか。
▽個別に支援が必要な児童には、何をどのように指導したらよいのだろうか。作業が早く終わってしまった児童には、どんな指示を出したらよいのだろうか。

 

ケース1

指導案は立てていたのですが、思った通りの児童の反応ではなく、そこから違う展開になってしまい、予定通りに授業を進めることができませんでした。

対策1

1単位時間の中に個別指導の時間を計画する

まずは、クラスの中で誰がどのような支援を必要としているのか、実態を把握することが大切です。その児童の理解度やクラスの人数、教科の特性等により、支援の仕方も違ってくるからです。

次に、1単位時間の中で、どこに個別指導の時間を計画するかを考えます。45分の授業の中では、すべて一斉指導のみの時間に充てるという場合は少ないのではないかと思います。1人で考えを深めたり、グループで話し合いをしたり、ワークシートに記入したりなど、いろいろな活動を組み合わせて1単位時間の授業を構成すると思います。

それでは、どのように個別指導ができる時間を計画したらよいのでしょうか。

まずは、全体での指導の後にきちんとその指示が理解でき、作業に入っているかを確認します。作業中も机間指導をしている中で、必要な支援を行います。また全体での指導が始まる前に、作業がきちんと進められているかを確認します。

個別に指導が必要な児童が複数いる場合は、教室の1カ所に集めて小黒板などを使って指導します。理解できた児童から自分の席に戻るようにしてもよいでしょう。算数の授業などに効果的です。分からないときには先生の所に集まると教えてもらえるというシステムを作ることで、児童は安心して授業に臨めます。既習内容等を掲示しておき、必要なときに利用したり、ヒントカード等を用意しておいたりするのも効果的です。

また座席の配慮も大切です。個別の支援が必要な児童の座席を、前列の真ん中近くに置く配慮をすると、全体指導をしている中でも、常に確認できます。またどうしても周りが気になってしまう児童も、前列に近い方が、余分な情報量が少なくて済み、集中できます。

ケース2

限られた時間の中で、個別に何をどのように指導したらよいのか迷います。また作業が早く終わってしまった児童には、どんな指示を出したらよいのでしょうか。

対策2

児童が必要としている支援を見極める

まずは、やはり児童の実態を把握した上で、どのような支援をしたらよいかを考えます。

自信をもって主体的に学習に取り組めるように、スモールステップで着実に学習内容を理解させていくのが大切です。今、児童が必要としている支援は何なのかを見極める必要があります。

例えば、漢字の習得や数の概念など基礎的な学習内容につまずきが見られるのか、基礎的な内容は理解できているが文章の読解に問題があるのかなどです。そして、その実態に応じて支援の仕方を考えます。

授業の中で行うには、短い時間で的確なアドバイスをする必要があります。全体の授業の流れの中では難しい場合には、違う時間に対応することも必要になってくる場合があります。

また作業が早く終わった児童への対処の仕方についてです。まずは限られた時間の中で、しっかりと丁寧に課題に取り組ませるようにしましょう。課題を早く終わらせたくて、いい加減になってしまう児童もいるからです。それでも、作業が早く終わった児童には、課題を用意しておきます。その教科に関係する練習プリントや発展プリントなどがよいでしょう。

またテストや作業が早く終わったときに、すぐに取り出せるように読書のための本を手提げや机の中に用意させておくと便利です。

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学級事務は目的を明確にし計画的に

年度初めの4月は、特に事務的な仕事が多く、毎日忙しい時間を過ごしているのではないかと思います。一見、児童に直接関わる仕事ではないように思われる内容もあります。しかし、いろいろな形で児童を育てることにつながっているのです。事務的な仕事については、目的を明確にし、計画的に取り組みましょう。

 

ケース3

学級経営案ですが、どのように書くのがよいのかよく分かりません。また、せっかく書いてもその後は活用されることもありません。どのように役立てたらよいのでしょうか。

 

対策3

学級経営案に具体と手立てを

学級経営案は、1年間の学級経営の進むべき方向を示し、経営方針について振り返ったり、見直したりできる大切なものです。児童の実態をしっかり捉え、学級経営案を立てましょう。忙しい時間を割いて作るのですから、作って終わりということにならないように、具体的な目標を決めて、取り組むとよいでしょう。

まずは、学校経営方針と児童の実態からどのような力が児童に必要なのか考え、目標を定めます。そして、その目標を実現するためにはどのような手立てが必要なのか、具体的な内容を決めます。年度途中に目標を達成できているか振り返り、達成できていなければ手立ての方法を変更したり、目標を変更したりします。

つまり、学級経営の振り返りや見直しは、自分の指導方法について評価することになり、授業改善につながります。

 

ケース4

週案を書く時間がなかなかとれません。また週案と実際に行う授業とがいつもずれてしまいます。時数がきちんと確保できるか心配になります。

 

対策4

「週案」なので、1週間という短い期間だけで考えがちですが、年間指導計画と照らし合わせながら、まずは1単元や1カ月など長い期間で大まかな計画を考えましょう。その上で、児童の実態を考えながら、1週間の学習計画を立てます。

また週案を書く時間については、例えば木曜日の放課後など、学校の行事予定などと考え合わせ、時間がとれそうなところで計画しておくとよいでしょう。

週案の計画通りに実際の授業が進むとは限りませんが、計画を見直しながら、しっかりと児童に必要な能力を身に付けられるようにすることが大切です。

また必要な時数を確保したり、他教科との関連を図ったりしながらきちんと計算をし、実施時数を把握しておきましょう。

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