学び合う授業づくりで 主体的に学ぼうとする生徒を育む

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◇愛知県豊田市立竜神中学校◇

本校(愛知県豊田市竜神中学校、杉山博久校長、生徒数693人)は、問題解決的な学習を軸に、学びの経験を活用して主体的に学ぼうとする生徒の育成を目指し、学び合う授業づくりに取り組んでいる。

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■教師の支援と生徒のスキル向上
(1)協働的で問題解決的な学習づくり
3段階の学びのステップにより、生徒の思いを引き出す場面を設定した。
「見つける」ステップ=教材との出会いにおいて、五感を刺激する工夫をし、個々が課題をもって単元に取り組めるようにした。
「追究する」ステップ=グループ活動を中心に、考えを交流し合い、練り上げる場と教具を準備した。
「振り返る」ステップ=課題解決に向けた取り組みを見直し、学びの定着と学び方を高めた。

(2)表現力・思考力・判断力を養うRTT
RTTとは「竜神シンキングトレーニング」の略称である。課題に向き合う際の見方や考え方を「思考スキル」とし、「比較」「分類」「推測」など10種類で具体化した。
思考スキルを図や具体物で表したものが「思考ツール」である。思考ツールにより、目に見えない思考スキルを表すことで考え方が整理でき、生徒の学びをサポートできると考えている。

■学び合う授業づくりを実践
社会科単元「織田信長・全国統一への懸け橋」で、武器調達に関心を寄せたグループは、次のように追究していった。
▽甲冑の着装・火縄銃の提示↓さまざまな感想が課題となる▽いくらぐらいするのか?↓長篠の合戦では、弾だけで、今の額で7・2億円▽高価な火縄銃を買う資金の調達は?↓疑問が追究へのエネルギーとなる▽座・関所の廃止が関係していそうだぞ↓物流に目を向け、新たな視点を得る▽経済の安定・栄える城下町↓自分たちで見つけた歴史観に高揚▽織田軍の士気の高まり・戦力強化↓納得のいく史実の解釈へ▽織田信長の天下統一
他のグループでは、甲冑の重さから騎馬戦の大変さを実感し、火縄銃の三段撃ちが効果的な戦術であるのに気付き、発表した。
「振り返り」では、文献を資料として活用する際に、文章ばかりでなく、屏風絵などをじっくり観察することで発見できる点に気付いた生徒が数多くいた。

■成果と課題
教材との出会いを工夫したことで、自分の課題に対して意欲的な追究活動を行い、根拠を持って自分の考えを発表するようになった。思考スキルにより追究の視点を学び、話し合いでも「比較」や「推測」「批判」などを繰り返し、事象を多面的にとらえることができ、より深い追究を体験した。

仲間との関わりも密になり、学習を通して人間関係の深まりや自己肯定感の高まりもアンケート結果に表れていた。
今後は、学び合いの中で基礎基本の定着や各教科で培われた学ぶ力を総合的に生かせるよう、教科間の連携や系統性を研究したい。

(文責・杉本康弘教務主任)
同校=〒473〓0907愛知県豊田市竜神町竜神16/℡0565(28)6600。Eメール=c-ryujin@toyota.ed.jp