自己肯定感を高める 夢や希望が持てる児童育む

学習発表会で自分の夢を語る
学習発表会で自分の夢を語る

◇愛知県稲沢市立法立小学校◇

本校(愛知県稲沢市立法立小学校/江嵜浩央校長、児童数190人)では、自己肯定感を高め、夢や希望が持てる児童の育成をめざしている。そのため、キャリア教育の視点から「スパイラル的年間計画」を作成し、道徳、特別活動、総合的な学習の時間に焦点を当てて研究を進めてきた。

特に今年度は、キャリア教育の6年間を通したプログラム系統表を作成するとともに、児童が自分自身の成長を実感できる評価場面を設定した。

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■スパイラル的年間計画

めざす児童の育成には、発達段階に応じて育成すべきキャリア発達課題を明確にする必要がある。そこで、各教科・道徳・総合的な学習の時間等の内容について、キャリア教育の視点から関連付けを行い、1年間を見通したスパイラル的な年間計画を作成した。

そして、高学年・中学年・低学年におけるキャリア発達課題を示すとともに、学年ごとに、各教科等で育成すべきキャリア発達を、「人間関係形成・社会形成能力」「自己理解・自己管理能力」「課題対応能力」「キャリアプランニング能力」の4領域に照らし合わせながら分類し、ねらいとして示した。

■6年間を通したプログラム系統表

キャリア教育の視点に立って教育活動を見直した場合、学んだことを児童がその後の生活や学習に活用できていることが大切である。そのため、学年の中での横のつながりに加え、学年間や各教科などの縦のつながりを図る必要がある。

そこで、6年間を見通したプログラム系統表を作成した。4年生の「ないた赤おに」の道徳で育成した「人間関係形成・社会形成能力」が、6年生国語科の「立場を明確にして主張し合い、考えを広げる討論をしよう」でどのように生かされるか、またどのような能力に発展するかをプログラム系統表にまとめた――などである。

このようなつながりを教師自身が意識することにより、児童も自分自身が身に付けた能力を意識し、活用しようとする経験を積み重ね、学校生活に自信が持てるようになり、自己肯定感の高まりが見られるようになった。

■評価方法の工夫

各教科・道徳・総合的な学習の時間等の本来の目標達成状況を評価する際、キャリア教育の視点で評価項目を見直した。そして、アンケートや各活動における児童の自己評価・他者評価を活用した定量的な評価と、観察や作文・制作物・ポートフォリオから変容を見る定性的な評価を計画的に組み合わせた。

こうすることで、スパイラル的な年間計画の、どこで、どのような力を身に付けられたかが把握できるとともに、活動の有効性と改善点を明らかにできた。

■地域連携と文化の伝承

キャリア教育の視点からも、学習素材や人材豊富な地域の教育力を生かし、「地域に学ぶ体験活動」を積極的に取り入れるのは意義あることと考える。

本校では、名古屋城築城と深い関わりのある伝統芸能「木遣り音頭」を、愛知県の特別非常勤講師制度を活用して保存会の方に指導してもらい、毎年、4年生が引き継いでいる。

他にも、社会科や生活科等で、地域学習や昔遊びを通して地域の方々と交流を深め、地域に生きるひとりとしての自覚を持たせられるように努めている。

このように、本研究を3年間にわたって進めてきた。今後も、児童が自己肯定感を高め、自分自身の夢や希望に向かって生き生きと学校生活を送ることができる学校づくりに努めていきたい。

(文責・江嵜校長)