【連載】学び合いで実現するアクティブ・ラーニング 第12回 正しい対応で明るい未来に

上越教育大学教職大学院教授 西川純

 

連載を通じて、これからの激変を書かせていただきました。暗くなるような内容が多かったのかもしれません。しかし、私は正しく対応すれば、今までにない明るい未来があると思っています。今回は、それを書いてまとめとしたいと思います。

私の時代には、「中卒より高卒、高卒より大卒の方がいい。同じ高卒、大卒ならば、偏差値の高い方がいい」というモデルがありました。もちろん、それほど単純ではないのは確かですが、おむねそれが有利であることは確かでした。しかし、連載で書いたように、今は違います。

ところが、モデルが変わったことを理解していない教師、子供、保護者が多いために、苦労している子供が増産されています。典型的なのは奨学金という借金のために破産する人です。しかし、モデルが変わったことを理解できれば、今までには実現できなかったことが可能になります。

我々は偏差値という一つの序列で物事を考えてしまいます。子供たちは小さいときから、東京大学の法学部、医学部をゴールとするリーグ戦に全員が参加させられます。そして、甲子園と同様に、さまざまな段階で脱落者が出ます。最終的な勝者はごくごくわずかな人です。

しかし、大学が特色ある入試をすれば、偏差値という物差しが使えなくなります。また、中途半端な大学に進学するよりも、手に職をつけられる高校の方が生活できることが分かれば、無理して大学に進学しようとする人も減るでしょう。結果として、生産者人口が増えるのです。

これからの時代、非正規雇用の人は増えるでしょう。正規雇用であっても高い給料は期待できません。そのため共稼ぎが基本となると思います。共稼ぎのネックは子育てです。祖父母に頼れればいいですよね。それも、夫婦両方の祖父母に頼れたらばいい。

小学校、中学校で共に学びながら、将来の伴侶となる人を見つけるのです。そして、高校卒業して20歳ぐらいで結婚します。同じ中学校区なのですから両方の両親と支え合えます。できれば、家業を継ぐことが望ましい。つまり、1950年代以前の日本に戻るのです。

多くの子供はそのような生活をします。

しかし、クラスの子供の中の2割程度は起業家になってほしい。ただし、第2のビル・ゲイツになる必要はありません。せいぜい社員10人程度の企業を起こすのです。ただし、小さくともある分野では日本全体を相手にできる、世界全体を相手にできる企業を起業するのです。

長い間には倒産するでしょう。しかし、学校で培った地元のネットワークの中で再就職できます。また倒産した会社も再起します。

今、グローバルはやりです。しかし、圧倒的大多数の子供の幸せは地元にあると思います。そして、その地元をつくるのは学校だと確信しています。

1年間、お付き合いいただき、ありがとうございました。私には明るい日本が見えます。       (おわり)