【連載】特別支援教育の根本 22 通常の学級の指導②

(学)大出学園支援学校若葉高等学園理事 清野 佶成

 

通常学級での自閉症、アスペルガー症候群、注意欠陥多動性障害、学習障害など発達障害のある児童生徒の指導をどのようにしたらよいか。発達障害は、その置かれた環境場面や年齢等によって行動や状態などは多様で、一様には考えられない。そこで授業観察、行動観察、アセツメントなどが大切となる。

一人ひとりが何でつまずいているか、困っているかなど、具体的に何を指導支援すればよいのか知らねばならない。負の面だけでなく得意な面や努力していることを見つけ、認め褒めることが、意欲の高揚につながり、大切である。

集団ですることが多くある学校場面では、いろいろな配慮が必要となる。学習障害(LD)で考えれば、読み困難の読字障害、書きの困難の書字表出障害、推論の困難の算数障害がある。知的障害がないため、国語や算数が苦手と思われて見過ごされてしまう。発達障害を見いだすのは大変難しい。

通常学級でポイントとなるのは、集団での指導と個別の指導である。

(1)集団での指導について

学習場面では、クラス全体への指示や話し方はできるだけ端的な言葉で。簡明な板書や掲示文などを用意し、それらの表示に注目させながら進める。さらになかなか集中して聞き取りができない場合は、クラス全体の指示の他に、個別に指示・説明をし、理解したかの確認が必要である。

どの子にも、得意、不得意があるが、できないこと、間違いなどばかりを指摘されると萎縮してしまう。得意なこと、努力していることなどを見つけ、褒め、自信をつけることが大切である。

障害の状況によって、グループのメンバー編成や、刺激を軽減するために校庭側よりも廊下側の座席にするなどに配慮。どうしてもクラス全体に障害の説明をする場合には、年齢相応に理解できる話に配慮する。

(2)個別の指導について

次に重要なのは、その障害に応じた有効な学習教材、教具の作成、選択を行い、それらを使って集団指導の中で個別の指導を必ずすることである。しかし、言うはやさしく行うはかたし。今、発達障害向けの教材が多くで出ている。インターネットなどで問題意識を持って探すことである。

東京都教委は平成25年度から、東京ぺーシック・ドリルを独自に開発し、都内全公立小学校に配布し、活用の推進を図っている。これは小学校の国語・社会・算数・理科の4年生までの基礎的・基本的な学習内容について、児童が確実に身に付けるのを目的としたもので、発達障害の児童一人ひとりの学習の「つまずき」に対応した指導を計画的で効果的に実施するために、発達障害の児童生徒が障害の状態や自らのつまずきに応じて、教材を選び、繰り返し学習できるようにと考えられたものである。(都教委サイトに掲載)

さらに都教委は、通常の学級における個別指導の内容と方法に関する指導資料の作成を年次計画を立て、小学校では28年度に研究指定校での実践検証、指導資料の作成と配布、29年度以降に成果の普及を図るとしている。同様に中学校では、29年度に、研究指定校での実践検証、指導資料作成・配布、30年度に成果普及を図るとしている。このような動きが他の教育委員会にも広がることが期待される。

また通常学級の取り組みだけで考えるのではなく、特別支援学級、特別支援教室との連携、特別支援学校のセンターの役割の活用などを考えることが重要になる。