教育時事刻々【2月中旬~3月中旬ふりかえり】

◇2月16日付

小中の学習指導要領案を公表=文科省は2月14日、小・中学校の学習指導要領改訂案を公表。現行と比較して記述分量は約1.5倍となった。「社会に開かれた教育課程」を重視するとした改訂の方向性を示した前文が新設された。小学校では5、6年生で外国語(英語)を教科化するほか、プログラミング教育の必修化が盛り込まれた。中学校では、主権者教育の充実や部活動の在り方などが明記された。「アクティブ・ラーニング」との文言は使用されず、「主体的・対話的で深い学び」だけの表記とされた。この他、幼稚園教育要領案も公表された。公表日から3月15日までパブリックコメントを行い、3月下旬に告示される見通し。

◇2月20日付

いじめ防止基本方針の見直しを=鳴門、宮城、上越、福岡の4教育大で構成するBPプロジェクトは2月12日、都内で「いじめ防止支援シンポジウム」を開いた。森田洋司鳴門教育大学特任教授がいじめ防止対策推進法について講演した他、同プロジェクトに参加する4教育大のいじめに関する研究事業が報告された。この中で、実態に即していないとして「学校いじめ防止基本方針」の見直しが求められた。

「知識、理解の質を高める」と文科相=2月14日の学習指導要領案公表に合わせ、この日、松野博一文科相は会見を開き、「現行の基本的な枠組みを維持しながら、子供たちの知識、理解の質をさらに高めていく」と強調した。

愛知県一宮市の中3自殺で説明二転三転=愛知県一宮市立浅井中学校3年生の男子生徒(14)が自殺した問題で、同生徒は、担任教諭のいじめが原因とする趣旨のメモを残していた。これについて学校側や市教委は、いじめの認識などについて二転三転。遺族や同校生徒の保護者らは、学校側に不信感を抱いている。市教委は「教員のいじめは断定できていないが、不適切な指導があったのは事実」と話している。

◇2月27日付

学校施設の整備指針改訂など検討=文科省の学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議は2月20日、同省で第1回会合を開催した。近年の社会変化に対応するために、今後の学校施設の在り方や整備指針改訂などに関連した調査研究や検討、環境対策上の課題の検証などを行っていく。調査研究に当たっては、学識経験者等の協力を得ていく。

保育所保育指針案を公表=厚労省は2月14日、平成30年度から全面実施される保育所保育指針の改正案を公表した。同日、文科省が公表した幼稚園教育要領案に表現を合わせ、小学校への接続を意識した「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を示し、育成したい資質・能力として「知識・技能」など3つの柱を明記した。また伝統的な行事と関連付け、国歌についての記述が初めて盛り込まれた。

◇3月2日付

4技能のバランスが悪い=文科省は2月24日、中学校3年生を対象に英語の4技能を測った平成28年度「英語教育改善のための英語力調査」の速報結果を公表した。政府は中学校卒業段階で英検3級以上のレベルを5割にするとの目標を掲げているが、達成できたのは「書く」だけだった。このほかの3技能は2割から3割で、バランスを欠いた結果となった。また「話す」では、評価者である教員による採点と正答が一致しないとの課題が浮き彫りとなり、今後の英語教育の在り方が問われそうだ。

全国学力調査の英語で素案=文科省の「全国的な学力調査に関する専門家会議」は2月24日、平成31年度の全国学力・学習状況調査で実施予定の中3を対象とした英語調査の素案を示した。英語調査は4技能を測るもので、「話す」については教員の負担軽減や採点のばらつきを無くすために、タブレット端末などの電子機器を活用する案が示された。

◇3月6日付

きざみのりからノロ検出=東京都は2月28日、立川市立小学校7校で起きた学校給食による集団食中毒について、献立の親子丼に使われたきざみのりからノロウイルスが検出されたとして、「これが原因食材と考えられる」と発表した。大阪市の業者から出荷されたものだった。児童生徒800人以上が発症した和歌山県御坊市のケースでも、立川市と同じ納入時期ののりが使用されていた。学校給食の衛生管理に詳しい中村明子東京医科大学兼任教授は「きざみのりにノロウイルスが付着していたのは、盲点だった」と話す。

次期学習指導要領巡りコード化=文科省は学習指導要領における各項目の分類・整理や関連付け等に資する取組の推進に関する有識者会議の第1回会合を2月24日、同省で開催した。小・中学校の次期学習指導要領のコード化に向けた基本的な方針やコード試案の作成について検討。次期学習指導要領の幅広い活用を目指す。

都がチーム学校で報告書=東京都の「チームとしての学校の在り方」を検討する委員会が、このほど報告書を公表した。教職員が多様な専門人材と協働するなどの新しい学校観を提示。副校長を支援する人材の配置や部活動の外部指導員活用などを提言している。

◇3月13日付

松野文科相が第9期中教審に諮問=松野博一文科相は3月6日、IoTなど「第四次産業革命」や18歳人口の減少を見据え、大学や大学院など高等教育の教育課程や学修に関する評価の厳格化といった制度の在り方を審議するよう、第9期中教審に諮問した。また国公私立大学の連携や統合も模索する。

第9期中教審が始動=第9期中教審が3月6日に始動し、文科省内で初総会を開いた。会長には、第8期で会長を務めた北山禎介氏(三井住友銀行会長)が留任し、続投が決まった。この日の総会で北山会長は「第9期では、『第三期教育振興基本計画』や高等教育の在り方の検討が重要となってくる。わが国の未来をつくる教育の実現に向けて取り組んでいきたい」と抱負を語った。

ICT活用で思考力向上=(一社)日本教育情報化振興会主催の平成28年度成果発表会「教育の情報化推進フォーラム」が3月3、4の両日、都内で開催された。パネルディスカッションでは「思考力を高めるICT活用」をテーマに、授業デザインなどについて話し合った。同振興会の赤堀侃司会長は「児童生徒に何事も『やってみたい』と思わせるのが大切。ICTはそのためのツールとして重要だ」と語った。