教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成 名古屋市立大宝小学校

全国大会の成果とその継続

平成30年度、全国小学校国語教育研究大会名古屋大会『未来に生きることばの力~「深い学び」を拓く国語教室の創造~』のテーマの下、次の成果をあげた。

国語科単元「なぜイースター島に森林がないのか」

①汎用的な言語能力の育成のための「大宝メソッド(基礎基本の定着・大宝思考のことば・振り返り・言語環境整備)」を開発。

②実生活・実社会においても活用できる、「大宝七つの力(課題発見・解決力、協働する力、伝える力、批判的思考力、先を見通す力、表現・創造する力、メタ認知する力)」と「八つの態度(やり抜く、つまずいても切りかえる、あきらめない、考えをよく聞く、今の状況に合わせる、目標を立て計画を進める、進んで取り組む、自分を見つめる)」を明確化。

③国語科を中核として、育てたい資質・能力を意図的・体系的に単元構成した、カリキュラム・マネジメントを作成。

翌年度、「七つの力と八つの態度」をより効果的に育成するため、それぞれの力や態度に対して、どの教科などが適しているかを考察する授業実践を積み重ねた。

さらに翌々年度は、前年度の成果と課題を踏まえ、目指す子供の姿を明確にした実践に取り組み、この2年間で、次の研究成果をあげた。

①教科などによって、習得させやすい力の共通理解

②重点的に育成する「大宝七つの力」を明確にした実践による、子供たちの主体的な取り組みの実現

③どの教科で、どの時期に、どの資質・能力を育成することが効果的か、小学校6年間を見通した学習単元一覧表を考察

▼6年生の実践より

国語科単元「なぜイースター島に森林がないのか」において、「批判的思考力」を高める取り組みとして、ルーブリック(評価基準)を基に自分の思考を吟味させた。具体的には、一つのルーブリックを学級全体で作成し、それを基に考えを形成させたり、考えをよくするための助言を行わせたりした。

ルーブリックを作成・提示したことで、児童は自分の考えがどの段階にあるかを確認したり、どのように修正したりするべきかを考えたりすることができた。

また、ルーブリックを基に対話させたことで、「自分の考えをよくするために必要な助言はどれか」を考え、選択することができた。さらに、その後の考えの修正時に「本当にこの修正の仕方でよいか」自分の思考を吟味するために、「誰のどの助言を基に、考えをどのようによくしていくか」を記述させた。

こうした実践により、自分の思考を意識的に吟味することができ、批判的思考力を高めることができた。

▼毎年、ゼロ地点から

全国大会後3年目となる本年度も、大宝メソッドのよさを継承し、モジュールカリキュラムを活用して基礎基本の定着を目指した学習を積み重ねている。また、思考力を働かせた話し方についても、児童一人一人にカードを持たせ、特別教室にも掲示物を示すなどし、様々な場で継続した活用を進めている。さらに、名古屋市教委が推奨する「なかまなビジョン」と通じる授業の進め方(めあて→自力学習→協働学習→まとめ→振り返り)の継続指導によって、自分の学びをメタ認知することで、学びに向かう力の育成に努めている。

「七つの力と八つの態度」については、今年度も校長講話で「校訓」の次に取り上げ、シールも活用させて日常的に意識させるようにしている。

研究発表会の数年前から、職員は授業を考える礎を築き上げ、子供たちには学び方を定着させてきた。こうした研究活動は、年度が替わって職員集団が新しくなることで、いったん、始発のゼロ地点に立ち返る。しかし、それまで蓄積した指導内容や資料、経験を踏まえた示範授業などを基に、再度、全職員が共通理解を図る。そして、新しい職員を巻き込みながら共に高まり合い、年度末には前年度までよりも少しだけ高みのあるゴールを目指すよう努力を継続している。そして、この継続の先に、個別最適化などの課題にも迫っていきたい。

(文責・丸子義彦校長)

本校/℡052(682)6138、URL=http://www.taiho-e.nagoya-c.ed.jp